積 分 地 図

関数とその不定積分を矢印でつなぎ、関数相互の積分関係を図示したものである。

゜「数学への勧誘」(塩川 新助著、昭和42年刊)という小冊子に4ページほど書かれていることをここに紹介します。
゜40年ほど昔のことになりますが、この4ページだけに興味があってこの本を買ったことを覚えています。
゜その後、同じテーマを扱った数学書は見たことがないので、著者のアイデア(・・・と思われる)がこの古びた小冊子とともに消えてゆくことを惜しみ、何方かのお目にとまって多少とも発展的な活用がなされることを期待してここに紹介する次第です。

゜              ( 著者は池田 敏男氏とともに わが国の computer の草分けの人である。)

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゜上図( fig.(0) )に示すように円周から矢印の根元が出ている相手の関数に、その線上に付記された係数を乗じたものが、積分関係であって、2つ以上のときはそれらを加えた式とする。
゜これを地図と称するのは、私たちが登山ハイキングの地形図に、実際に行動したコースを朱線などで記入するように、微積分の演算を試みて証明できた相互間を朱線化して、努力の目やすとするような使い方を学生諸兄に期待したいからである。

゜著者は上の通りに述べられている。
゜高校3年生ならこれくらいのことは、できる人はできる。( sinhx などは予め教えておく。)
゜この本を買った当時プリントを作って授業に導入してみたことがある。夏季休暇の課題に使って見たこともある。(クラスの全員というわけには行かないが・・・。)
゜たとえば、所々○の中の関数を消しておいて、生徒に正しい関数を埋めさせることをした。
゜生徒の反応は私の導入、誘導の拙さもあってか、クラス全体としてはあまり芳しいものではなかった。
゜受験準備に忙しい彼らには、こんなことで遊んでいる暇がない・・・。ということもあったかも知れない。
゜1クラスに2,3人いればよい方であったが、そう云う生徒は結構熱心に、遊び的に取り組んでいた( 休み時間などで・・・)。その程度でよいと思う。


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゜不定積分を求めるソフトなら今は簡単に手に入ると思う。
゜しかし、関数相互の積分関係をこのように図式化したものは珍しいのではないか。私は他に見たことがない。

゜この積分地図はたぶん積分公式集などを使って関数相互を積分関係の矢印でつなぐ作業を地道に続けて得られたものと思う。
゜たとえば、B.O.Peirce の "A Short Table of Integrals" などを使用したのではないか。( 初版は1927年 )
゜これなら私も持っているので(1963年版 )、これで確かめた限りでは間違いは見当たらなかった。 ゜しかし、その作業は相当時間のかかるものだろうと思う。

゜一人でなら暇なときに少しづつ、または何人かの学生を集めてきて積分表を持たせて、ページをめくりながら探すという作業だろうと思う。積分を実行しながら探していては時間がいくらあっても足りないだろう。

゜それにしても、よくこれだけの矢印構造に整理できたと驚嘆する。

゜想像していると時代を感じるばかりである。
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