整数 a, b, c, m について
b=ac のような c が存在する場合は b は a で整除されるといい、
b を a の倍数、a を b の約数という。
たとえば 6=3・2 であるから 6 は 3 で整除され、したがって
6 は 3 の倍数、3 は 6 の約数である。
b が a で整除されることを a|b で表す。
このとき、つぎのような関係が成り立つ。
(1) m|a , m|b ならば m|(a±b)
(2) m|a かつ b は任意の整数ならば m|ab
(3) a|b , b|c ならば a|c
102-1 上の (1) , (2) , (3) を証明せよ。
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m|(a-b) であるとき、a≡b(mod m)
と表して、a と b は m を法として合同であるという。
たとえば、15|(46-16) だから 46≡16(mod 15) である。
一つの集合 M の要素(元) a , b について、a〜b なる関係がある
ものとそうでないものがあり、つぎの3つの性質をみたしているとき、
このような関係を同値関係という.
反射律 a〜a
対称律 a〜b ならば b〜a
推移律 a〜b , b〜c ならば a〜c
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このような3つの性質を同値律といい、a〜b なるとき、a , b は
同値であるという。
また、一つの定まった要素と同地な要素の全体をその要素を含む類
(同値類)という。
日常生活においてもこのような考えは無意識に行われているので
あって、たとえば7日の倍数だけ異なった日を同値であると考え、
そのようにして得られた類の各々に日曜日、月曜日、・・・等の名称
が与えられる。
このように一つの集合に同値関係を導入して類に分割することを
類別という。
整数の問題に戻って考えると、
与えられた m に対して”a と b が m を法として合同である。”
という関係は同値律をみたしている。
いいかえれば
a≡a(mod m)
a≡b(mod m) ならば b≡a(mod m)
a≡b(mod m) , b≡c(mod m) ならば a≡c(mod m)
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が成り立っている。
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