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温度応力解析



近年、コンクリート温度応力に関するひび割れ(温度ひび割れ)が多く発生する傾向にある。この背景として以下の要因が考えられます。

・セメント量の増加 

2002年の性能設計の導入により、鉄筋コンクリートの水セメント比が従前の60%から55%以下と小さくなった。このために使用されるコンクリートは要求強度よりランクアップされセメント量が増加した。

・高炉セメントの使用 

2001年のグリーン購入法の施行により高炉セメントが多く利用されるようになった。高炉セメントは潜在水硬性であるために硬化速度が遅く、温度ひずみがコンクリートの引張強度に先行して発生する。また、粉末度が高く乾燥収縮量も大きい。

 

このために、以前からコンクリート標準示方書に盛り込まれていたコンクリートに関する温度応力の事前解析が2002年度版の土木工事共通仕様書から新たに以下の条文として追加され義務化されました。

 ご存知ですか?マスコンクリートの施工では事前解析が必要です。

(土木工事共通仕様書)

請負者はマスコンクリートの施工にあたって、事前にセメントの水和熱による温度応力および温度ひび割れに対する十分な検討を行わなければならない。

 

コンクリート標準示方書では、広がりのあるスラブ(例えば、フーチング)で厚さ80~100cm以上、下端が拘束された壁(例えば、橋台のたて壁)で厚さ50cm以上がマスコンクリートと定義され、土木構造物の多くがこれに該当することになった。

温度応力の事前解析によりひび割れ発生確率は以下の対策で制御することができます。

・ 配合設計の見直し(低発熱セメント、高性能減水剤、流動化剤、膨張剤の使用)
・ 打設計画の見直し(リフト割り、ブロック割り)
・ 打ち込み温度、上昇温度の抑制(プレクーリング、パイプクーリング)
・ 養生方法、養生期間、脱枠時期の見直し
・ 配筋設計の見直し(ひび割れ幅制御鉄筋の追加)
・ ひび割れ誘発目地の設置(合理的な配置間隔が決定される)

事前解析のメリット
メリット①: 発注者の信頼確保(耐久的な構造物の構築)
メリット②: 工程の遵守(ひび割れが発生すると原因の特定から補修までの期間作業工程に狂いが生じる。事前解析があればひび割れ補修までの日数が少なくて済む)
メリット③: 補修費用の最小化(対策と費用はトレードオフの関係にある。事前対策で合理的にひび割れ幅を制御すれば、ひび割れが発生しても少ない補修費用で済む)
メリット④: 増工(発注者に事前対策を提案し、対策内容によっては増工される場合がある)
メリット⑤: 工事に取り組む姿勢が評価される。
 

総合技術評価落札方式の導入により、温度応力解析の技術提案が不可欠な状況になりました。 当事務所は、温度応力の事前解析からパイプクーリングや養生方法の提言、ひび割れ制御方法など幅広い支援を行います。また、必要に応じて給熱養生での必要ジェットヒーター台数や凝結時間(プロクター貫入抵抗値)の推定も行います。



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☆解析サンプル (ボックスカルバートの温度履歴とひび割れ指数)
■報告書サンプル(温度履歴抜粋)
 
■報告書サンプル(ひび割れ指数抜粋)


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